胴体部の背面側、腰部と背部の内出血について説明していきます。腰部や背部も胴体部なので重要な器官が収まっていますが、胸部や腹部よりも大きな筋肉によって守られているので衝撃を受けても内部に損傷を負いにくいようになっています。
腰部の内出血で最も注意しなければならないのが、骨盤骨折です。一般的に骨折という外傷だけで死亡するということは想像しづらいとは思いますが、骨盤骨折の場合はそれだけで死亡原因となるケースもあります。骨盤の構成としては非常に頑丈なつくりをしているのですが、骨折すると出血量が多くなりやすい為に細心の注意が必要となるのです。
背中から腰、お尻の辺りにかけては後腹膜腔と呼ばれる空間があり、骨盤骨折時にはここに出血が貯留されます。治療法としては、手術を行う場合もありますが、カテーテルを用いて血管内部から止血を行い、チューブを用いて貯留している血液を取り出す方法が主流です。
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体の背面は正面よりも衝撃に対して強い構造をしています。背中の筋肉は、肩から肩甲骨までを包む僧帽筋と、脇腹から背中と腰までを包む広背筋の大きな2つの筋肉で守られています。肩から腕にかけてはさらに三頭筋という大きな筋肉で覆われています。これらの大きくて強い筋肉があることで、背中は強い衝撃に耐えられるようになっているのです。
ただし、外傷を受けた覚えもないのに背中に内出血のあざの跡が見られる場合は、紫斑病や白血病などの血液疾患による症状の可能性が高まります。また背中の異常は自分ではなかなか気付きにくいので、発見も遅れがちです。何か異常を感じた場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。
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